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「駅名」改称の動き 「東寝屋川」→「寝屋川公園」(仮称)へ

茂福隆幸

 JR片町線(愛称:学研都市線)「東寝屋川駅」について、駅周辺のまちづくりの一環として、駅前に位置する府営寝屋川公園との関連性から「(仮称)寝屋川公園駅」に駅名を改称し、駅と周辺地域のイメージアップに繋げるための協議が進められている。


東寝屋川駅

●片町線複線化に併せて設置された駅

 当駅は1979年10月に、寝屋川市にはなかった国鉄駅として、片町線の複線化に合わせ、星田駅と忍ケ丘駅の間に設置された。駅の建設費や駅前広場等の整備費は周辺のまちづくりを行った開発業者等が負担した。それまでは府営、市営住宅等の公的中層団地や旧集落と田畑が広がる田舎町であったが、駅や10棟約700戸の分譲マンションと商業施設等が建設され、駅前の便利な街へと変貌した。

●地域に根づいいた府営寝屋川公園

 一方、「府営寝屋川公園」(写真=同公園HPより転載)は1982年に約4.5haの公園として開園し、1997年の大阪「なみはや国体」では軟式野球場の会場として大変活気づき、その後は高校野球の予選会場として利用されていた。今では32.2haの広域避難地、後方支援活動拠点の防災公園として、また、陸上競技場やテニスコート等を備える運動公園として、地域に根付いた公園となっている。しかし、住民の高齢化や公園施設の老朽化等により、乗降客数は沿線でも少ない状況となっている。

●東部エリア 都計道整備や区画整備に取り組む

 そこで、寝屋川市では今まで開発等が遅れていた市域東部エリアについて、2010年の第2京阪道路の開通を機に沿道のまちづくりに着手し、2012年に大型ショッピングセンターを中心とした約22.7haの寝屋南土地区画整理事業と、2018年には大型物流施設を中心とした約10.7haの小路土地区画整理事業が完了した。そして現在、東寝屋川駅と第2京阪道路を結ぶ都市計画道路東寝屋川駅前線の整備と沿道の打上高塚町土地区画整理事業に取り組んでいる。この土地区画整理事業では、総合病院、商業施設、共同住宅などの建設予定があり、また、駅を中心として小中一貫校の建設やそれに伴う中学校跡地利用、移転する商業施設やその駐車場の跡地利用、老朽化した中層市営住宅の跡地利用などの検討を進めている。 それらの駅周辺のまちづくりにおいて、地域住民からの強い要望もあり、寝屋川市として、まちのイメージアップやブランドの向上に繋げるために、「東寝屋川駅」を地域の大きな資源である「(仮称)寝屋川公園駅」に改称することに取り組むこととした。

●公園駅へと改称した事例は全国で32駅

 鉄道駅に「公園」がつく駅は全国で103駅あり、そのうち途中で公園駅に改称した駅は32駅もある。大阪でも7駅のうち3駅が途中で改称するなど、緑や環境等イメージアップに繋がるものと考えられている。JR西日本で直近に駅名改称を行ったのが、2003年3月の「雄琴駅」→「おごと温泉駅」、「西大津駅」→「大津京駅」にした大津市であり、経緯や負担額等について参考とした。

●親しまれる駅名へ、地元市が改称実費相当額負担

 寝屋川市では2016年12月からJR西日本大阪支社と協議を始め、駅名の条件としては、所在地を駅名とし、将来にわたって地域に親しまれることを基本的な考え方としている。改称については概ね地元の総意であり、地元市が実費相当額を負担することで、負担額は約3億6千万円の提示があった。その後、何度が協議を重ね、JR西日本として寝屋川公園を活用した集客の期待感やまちづくりによる人口増加等の将来性などの周辺エリアのポテンシャルを踏まえ、乗降客の増加が見込めるとの評価から、来年3月のおおさか東線北区間の開業と時期を合わせることを前提に、約1億2万円の提示となった。

●駅周辺整備基本構想案を作成

 まちづくりの検討においては、「東寝屋川駅周辺地区整備基本構想(案)」を作成し、駅周辺のまちづくりにおける住宅建設等による人口増や、大阪府の協力による寝屋川公園における新規イベント等による乗降客の増員の算出を行い、地元大学経済学部准教授の協力を得て、寝屋川市版産業連関表により、駅名改称を含むまちづくりによる経済波及効果について検証した。あわせて、JR西日本とは良好な関係を築き、公園の活性化を含むまちづくりに関する連携協定を結び、協力して駅周辺のまちづくりに取り組む予定となった。

●駅名改称効果を検証

 今後、整備基本構想(案)に基づくまちづくりや公園でのイベント等を着実に実施し、まちづくりと合わせた駅名改称の効果について、乗降客の増加人員、公園の利用者数、地価や固定資産税の上昇、マンションの売れ行きや店舗の需要拡大等において検証が必要と考える。


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