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旅ゆけば

ヨーロッパ旅行で学んだこと(2)

鎌田 徹

 1999年10月に枚方LRT研究会主催のヨーロッパの視察旅行に参加した。行き先はパリ、フライブルク、ストラスブール、カールスルーエ。旅行を通して多くのことを学んだ。「潮騒」秋号に引き続き、ストラスブール、カールスルーエについて書いてみる。

◆ストラスブール


オム・ド・フェール駅

グーテンベルグ広場

イル川を渡るトラム

ストラスブールがLRTと街とがうまく調和した一番の見本ではないかと思う。トランジットモールのところは、人も沢山出て賑やかであり、そこへきれいな形をしたLRTが滑るようにして入ってくる。中心街の駅(HommedeFer=写真)は丸い屋根で親しみのもてる形をしている。まさに人が中心の町である。国鉄との連絡は中央駅の地下に路面電車が入っており、乗り換えは便利。グーテンベルグ広場がある。活版印刷を実用化したグーテンベルグを冠した広場。賑やかに市が開かれていた。

ストラスブールはドイツとフランスが永年領有を争ってきた土地だが、第2次大戦後、領有はフランスだが、欧州の中心的な機能を有する都市としようということで、欧州議会、欧州人権裁判所が置かれている。

後日になるが、ストラスブールに関して土木学会関西支部のFCCにおいて、今は亡き宇沢弘文先生の講演が思い出される。社会的共通資本としての交通インフラをどうしていけばよいかという質問に対し、先生は「ストラスブールでは周辺の都市を含めた広域自治体を形成し、そこに徴税権と予算執行兼を持たせ、クルマ政策から環境への転換を求めて当選したトロットマン市長のリーダーシップで中心部からのクルマの締め出し、路面電車の敷設が実現した。その結果まちは活性化した」と幅広い視野に立った公共政策の必要性を述べられた。

◆カールスルーエ


カイザー通り

トラム

カールスルーエは宮殿を中心に道路網が放射状に伸びる計画都市である。カール3世ヴィルヘルムが18世紀前半、小高い丘に宮殿を建設し、その周りに放射状にまちを築いた。トランジットモールが長く続くカイザー通り(=写真)。歩行者空間にスッと電車が通るといった感じ。賑やかなところが続くので、降りて歩いてみた。デパートに入ったり、カメラ屋を覗いたり。そして時間がきたので、LRTに乗って集合場所まで行く。こういう過ごし方ができる街でもある。

ところがである。ドイツ在住のverkehr.jp(遠藤俊太郎氏)のブログによると、このトラムが国鉄と直通運転していることにより本数が多くなり、トラムが渋滞しているとのこと。そのため、(1)この区間を含めた都心部のトラムを地下化して地上を歩行者専用ゾーン化、(2)平行する幹線道路の車道を地下に移して地上を緑化しトラムを走らせる、という2つの事業をセットで行う一体解決計画が実行されているとのこと。2019年に完成予定とのこと。
http://verkehr-jp.blog.so-net.ne.jp/2013-01-16

都市はどんどん変化しているということである。


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