ヨーロッパ旅行で学んだこと

鎌田 徹

 随分前になるが、1999年10月に枚方LRT研究会主催のヨーロッパの視察旅行に参加した。総勢10人ぐらいだったと思うが、行き先はパリ、フライブルク、ストラスブール、カールスルルーエ。その後旅行社のサイトを見ると、このようなコースが定番になっている。だんだん記憶も薄れてきているが、旅行を通して多くのことを学んだ。今も印象に残っている事柄について書いてみる。

◆パリ

 ホテルからサンドニに向かった。サンドニ大聖堂を見学したあと、一緒に参加していた近畿大学の学生がビデオを回していたところ、それをひったくられてしまった。彼は叫びながら必死に追いかけたが、逃げた犯人を捕まえられなかった。苦い思い出である。サンドニといえば、2001年3月にサッカー日本代表チームがフランス代表と対戦、0対5で惨敗したサッカー場があるところ。この試合、「サンドニの悲劇」として今でも語り草になっているそうだ。

 パリには旧城壁跡に環状道路が敷かれている。全長33kmで、大阪の中央環状線より少し小さい。環状道路の一部にT1、T2というトラムが走っていた。試乗してみると乗客には黒人が多かった。旧植民地から移住してきた人達と思われる。専用レーンには連結バスが走っていた。そのバスに環状道路の半分くらい乗ったところ、距離がとにかく長くて、大いに疲れた。トラムが早く全線に敷かれればいいと思う。大阪ではモノレールが敷かれているが、いずれ全線に敷かれる計画である。

◆フライブルク

 フライブルクでは、交通政策について多くを学んだ。その1つが料金政策で、1カ月定期券を大幅に値下げして、同時に営業的な努力と運営上の努力を行うことにより、電車の利用客は上昇に転じた。値下げしたにもかかわらず、赤字幅は減少したという好事例である。クルマ規制も導入した。当初は住民も不満で、小売店も売り上げが減るのではないかと反対した。多くのディスカッションの末、1年間のテスト期間を設けることにした。結果として、かえって通りに人も増え、にぎやかさも戻ってきたので、これが定着した。

 この他にも自動車機能は束ねて整備、住宅地域の公害防止のため30㎞/hゾーンの設置、自転車交通の促進、などに取り組んだことで、今では都市交通政策の世界のモデル都市に位置づけられている。(次号に続く)


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